2010年02月28日

「生ぬるい」「絶対無理」…「全面禁煙」通知 遅れる対策(産経新聞)

 厚生労働省が、多数の人が集まる公共施設を対象に求めた「全面禁煙」の通知。受動喫煙防止対策の強化を図るのが狙いだが、罰則や強制力はなく、効果のほどはわからない。客足に響く飲食店やパチンコ店関係者が反発を強める一方で、さらに対策を進めるために国に法整備を求める自治体も。海外に比べ遅れが指摘される対策は果たして前進するのだろうか。

 ■「生ぬるい」

 禁煙は世界的な潮流だ。世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」が平成17年に発効し、屋内の職場や公共施設などでの受動喫煙防止策の実現を求めた。19年には「100%禁煙以外の措置は不完全」とする指針が採択され、欧州で禁煙化が加速した。

 日本も16年に条約に批准。厚労省は20年に検討会を設置し、昨年3月に「原則全面禁煙であるべきだ」とする報告書をまとめた。今回の通知もその延長線上にある。

 ただ、通知に強制力はなく、月刊「禁煙ジャーナル」の渡辺文学編集長は「生ぬるい。たばこを財政収入として位置づけているたばこ事業法や日本たばこ産業(JT)株の50%超を財務省が保有していることが根本的な問題だ」と指摘する。

 経営への影響が避けられないJTは厚労省の通知を受けて、「運用においてはすべての施設を一律に全面禁煙とするよう求めるものではないものと認識している。今後とも分煙に関する知見の提供などを通じ、積極的に協力していきたい」とのコメントを出した。

 ■「客足遠のく」

 対応に苦慮しそうなのが、喫煙する利用客が多い居酒屋やパチンコ業界だ。

 居酒屋チェーン、ワタミでは、17年7月から東京都北区や静岡市などの4店舗で全面禁煙の店を開店したが、約1年後には撤退した。家族連れや女性客に好評だったものの、喫煙者の多い深夜の時間帯や団体客の利用が伸びず、売り上げに直接影響したためだ。

 ワタミの担当者は「全面禁煙にすると、団体客の予約が入りにくくなる。小型店の場合は空間を仕切りづらく、分煙も難しい」と困惑気味に話す。

 客の7〜8割が喫煙者とされるパチンコ業界も深刻だ。全国約1万2千店舗を傘下に抱える「全日本遊技事業協同組合連合会」の担当者は「オーナーからは、『分煙や禁煙を進めれば、客足は確実に遠のく』という声が大半。加えて、分煙には改装工事が必要になるが、この経営難の中でそんな余裕はない。全面禁煙は無理」と頭を抱えている。

 ■「法整備を」

 昨年3月、屋内の喫煙を罰則付きで規制する受動喫煙防止条例を全国で初めて制定した神奈川県。体育館や学校、病院などの施設は「全面禁煙」となったが、飲食店やホテルは「分煙」を容認する形で落ち着いた。全面禁煙に反対する飲食店やパチンコ業界などの意見が反映されたとの見方が強い。

 ただ、条例施行に伴って大手外食チェーンが全面禁煙を表明するなど、県の取り組みを後押しする動きも出ている。

 日本マクドナルドは3月から県内の全298店舗の全面禁煙に踏み切る。同社コミュニケーション部は「禁煙は世界的な流れ。外食チェーン大手という立場から禁煙でリーダーシップを取るべきだと考えた」としている。牛丼チェーンの吉野家も県内全87店舗ですでに全面禁煙を実施している。

 同県たばこ対策室の井出康夫室長は「(自治体レベルではなく)国として取り組むべき問題だ。健康増進法が定める受動喫煙防止対策は努力義務にすぎない。実効性のある対策を進めるためには法整備が必要だ」と訴える。

 ■受動喫煙 「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と健康増進法が定義。たばこの煙にはニコチンなどの有害化学物質が含まれ、肺がんや心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす要因となるほか、親の喫煙によって子供の呼吸機能の発達に悪影響が及ぶなどの報告がされている。厚生労働省によると、喫煙者との同居に伴う受動喫煙が原因で、肺がんを患うリスクが20〜30%増加するとの米国の研究報告がある。

     ◇

 厚生労働省が通知で、原則全面禁煙を求めた主な施設は次の通り。

 【公共施設】学校、体育館、病院、官公庁施設、社会福祉施設【娯楽施設】劇場、美術館、博物館、屋外競技場、パチンコ店、ゲームセンター【商業施設】百貨店、商店、飲食店、金融機関【交通関係機関】駅、バスターミナル、航空旅客ターミナル、旅客船ターミナル、鉄道車両、バス、タクシー、航空機、旅客船【その他】集会場、展示場、事務所、ホテル、旅館などの宿泊施設

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2010年02月27日

小沢幹事長にまた金属弾入り封書 最高検幹部あても見つかる(産経新聞)

 東京都中央区銀座の郵便事業会社銀座支店で、金属弾の入った小沢一郎民主党幹事長と最高検次長検事あての封書計2通が見つかっていたことが24日、警視庁筑地署への取材でわかった。同署は弾の鑑定を進めている。

 同署によると、小沢幹事長あての封書については23日午前10時20分ごろ、最高検次長検事あての封書については24日午前9時ごろ、同社から署に連絡があった。

 小沢幹事長あての封書には22日付の消印があり、ライフル弾のようなものと、はがき1枚が入っていた。封書には世田谷区内の小沢幹事長の自宅住所が手書きされており、あて名は切り張りと手書きで「小沢一郎殿」と記載されていた。はがきには、小沢幹事長の政治資金問題を取り上げた記事と、「ゴキブリ退治」という文字が切り張りされていたという。

 最高検次長検事あての封書についても、エックス線検査で金属弾が確認されたという。

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2010年02月26日

偽りの果てに女性を殺害 別れさせ屋の「愛」(産経新聞)

 夫婦の離婚を工作する探偵会社の「別れさせ屋」だった男が、別れさせた女性とトラブルになり殺害したとして逮捕・起訴された事件の判決公判が来月、東京地裁で開かれる。殺人罪などに問われた元探偵会社社員、桑原武被告(31)は女性をだまして誘惑し、離婚させた上、素知らぬ顔で同棲(どうせい)を続けていたが、正体がばれると逆上するように女性に手をかけた。「愛していた」−。これまでの公判でこう主張してきた桑原被告。偽りの果てに女性を殺害した男が語る「愛」は、本当の愛だったのか。(菅原慎太郎)

 「愛しているということを証明するため…」

 今年1月26日の公判で、桑原被告は女性殺害前に自殺未遂を図ったことを明かし、ぼろぼろと泣いた。

 昨年4月、東京都中野区で同棲していた五十畑里恵(いそはた・りえ)さん=当時(32)=の首を絞めて殺害したとして殺人罪などで起訴されたが、公判では起訴内容を認める一方、里恵さんへの「愛」を強調した。

 検察側の冒頭陳述などによると、桑原被告と里恵さんが初めて出会ったのは平成19年。里恵さんの夫だった男性が、都内の探偵会社に離婚工作を依頼し、社員だった桑原被告は、「別れさせ屋」として里恵さんに近づいた。

 正体を隠して誘惑し、ホテルに連れ込み、仲間にその様子をビデオ撮影させるなどして、夫と別れさせることに成功。しかし、離婚工作が終わっても、一連の工作の真相や、自身に妻子がいることを隠したまま交際を続けた。昨年になって正体がばれ、別れを迫られたため、その首を絞めて殺害した。

 「里恵さんに感情が移ってしまって…」「ウソにウソを重ねたことを深く反省し、後悔しています」

 涙ながらにこう語った桑原被告。ウソがばれ、里恵さんを殺害した理由をこう説明した。

 「里恵さんに『ほかに男を作る』といわれ、感情を抑えきれず…」「妻子をバカにされ、感情を爆発させたんです」。偽りの露呈とともに愛情が失われることに耐えられなかった…。発言からはそんな姿が浮かび上がるが、一方で検察や被害者側の立証からは、違った一面も伺える。

 事件当時、里恵さんの顔を殴り、腕で首を絞めたとされた桑原被告は、里恵さんがぐったりしたのを見て、さらに室内にあったビニールのひもで首を絞めている

 「普通、ぐったりしたのを見れば、われに返る。さらにひもで首を絞めるなんて、愛している人のやることではない」

 被害者参加制度で公判に出廷している遺族の代理人弁護士は、こう指摘した。

 それだけではない。桑原被告は事件当時、探偵会社を解雇されて借金を背負っていた上、里恵さんの実家に資産があったことも知っていた。「おカネのことでいさかいがあったのではないか」。合田悦三裁判長もこう質問したが、桑原被告は否定するばかりだ。

 「言っていることはウソばかり。とても信頼できない」。ある日の公判後、里恵さんの母親、友子さんは怒りをあらわにした。

 男女関係を清算したい人から探偵会社などが料金を取って離別工作をする「別れさせ屋」ビジネスをめぐっては、法曹関係者や業界団体から「人の恋愛感情を“操る”ようなビジネスが許されるのか」という批判が出ている。ただ、法律上は明確な規制がなく、多くの探偵会社がビジネス展開しているのが実情だ。

 平成13年に同名のテレビドラマが放映され、一気に知名度がアップ。5〜6年ほど前から、多くの探偵会社で行われるようになった。経済評論家の荻原博子氏は「結婚も離婚も一昔前より軽い意識でするようになり、人生の選択肢の1つになっている。それに乗じてそういう恋愛ビジネスも盛んになる」と指摘する。

 探偵会社などによると、「別れさせ工作」の報酬は、数十万円から数百万円になる。有利な条件で離婚したい人や家庭内暴力に悩む人たちにとっては、弁護士や公的機関より安価で早い解決が図れ、頼りになることもあるという。

 ただ、トラブルも少なくない。国民生活センターや日本調査業協会には「料金を支払ったのに、別れ話が進まなかった」「追加料金を強要された」など、依頼者側の相談も寄せられており、協会も「公序良俗に反する」として自粛を促している。

 桑原被告の公判は今月8日、検察側が懲役17年を求刑して結審した。その際、死刑か無期懲役を求める遺族側の意向も示された。

 閉廷後、法廷から連れ出されていく桑原被告は、検察官席の後ろに座っていた里恵さんの父親、勉さんに「申し訳ございませんでした」と頭を下げた。

 しかし、勉さんから帰ってきた言葉は「一生恨むぞ」だった。

 「偽りの愛」をビジネスにしていた男は、法廷でも愛を偽ったのか。それとも、殺意の底には、利己的とはいえ本当に愛があったのか。注目の判決は、3月9日午後1時半から言い渡される。

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